「ん?どうかした?」

三好さんが私の視線に気づいて、そう尋ねる。

「あ、ううん……三好さんって、おしゃれだなぁって思って」

「ええ?なに、急に?普通だよー」

あはは、と笑う三好さん。

三好さんが普通なら、私のおしゃれスキルはおそらく底辺レベルだ。むしろ地下かもしれない。

「ううん、ほんとに。自分認似合う服がわかってるっていうか……私、よくわからないから」

「うーん。ワンピースとか着てみたら?」

「わ、ワンピースかぁ……」

言われてみれば、1枚も持っていない気がする。

むしろ、私に可愛らしい服は似合わない気がして、真っ先に避ける部類の服だ。

「そうだ!ワンピース探しに行こうよ!」

「ええっ?プレゼントはいいの?」

「だって、なにがほしいのかわかんないんだもん。まだ日にちはあるし、もっとちゃんとリサーチしてからにするよ」

「そ、そっか」

「それに、ほら、桐生くんとデートとかあるかもしれないし?」

「ないないないないない」

「まあまあー」

と押し切られて、レディースの階に向かった。