「…それで束縛するようになったのか。」

「そ。」

私はグラスに口をつけて、ソルティードッグの残りを飲み干した。
カラン、と、氷とグラスのぶつかる音。

「別に合コンだったわけじゃない、高校の同級生の飲みだったって。

後から言われても、すんなり入ってこなかった。

それから半年くらいした時だったかな。
何度言われても信じられない私に、彼は吐き捨てるように言ったの。

『お前すぐ嫌な顔するから、言えなかった。
嫉妬深くてウザイ。』って。

居酒屋で二人で飲んでた時だった。
彼も酔った上での暴言で、次の日土下座せんばかりに謝ってくれたけど。

もう、元には戻れなかった。

ずっと彼に負担に思われてたのか、嫌な思いをさせていたのか。

相手の気持ちに敏感だからこそ、私の表情を見て察して。そんな人だってわかってたのに。

彼にそんな気持ちを持たせていた自分に、心底うんざりした。」