その声に反応したかのように、三方向から男性に囲まれてしまった。

逃げようとして、隙間をすり抜けようとしたが腕を掴まれて、口を塞がれ、両腕をガッチリ掴まれて3人に引きづられて後部座席に放り込まれた。

逃げようにも、左右に男性に挟まれて逃げることも出来ずに車が動き出してしまった。

静かな住宅地に人影もなく、助けを呼ぶことも出来ず鞄の中のスマホを探した。

それを見ていた隣の男性に、スマホを取り上げられて私のスマホは上条さんの手に渡った。

「誰に連絡しようとしたのかしら?困った人ね…透さんに知られるわけにはいかないのよ」

電源を切られ、橋を通る際に私のスマホは川に投げられてしまった。

「人の物を勝手に捨てるなんて酷い」

「あなたの許可なんて必要ないわ。それに、もうあなたには必要ないものになるもの」

「どういう意味ですか?」

「それはついてからのお楽しみよ」

そして、車は街から離れ、どんどん山を登り避暑地としてペンションや別荘がある地域に着いた。

洋館前に車が止まり、私は車から無理矢理降ろされ、また左右の腕をガッチリと掴まれていた。

先頭を歩く上条さんの後を続いて、私達もついて行く。