教室からの帰り道、自宅までもう少しというところで、前方から来た車に進行方向を塞がれ、ライトで照らされて眩しさに目元に目をかざし目を細めた。

運転席からと助手席と後部座席から合計4人が降りてくる。

なに?

危機感を感じ、後方にジリジリと足を動かしていつでも逃げれるようにかまえた。

「こんばんは」

聞き覚えのある女性の声

「…上条、さん?」

「あら、私のこと覚えていてくれたのね」

「私に何かご用ですか?」

「そうなの…あなたに用があって待ってたのよ。あなたったら、透さんのところにばかり入り浸って、なかなか一人になってくれないんですもの。料理教室の日だけ、こうして一人でご自宅に帰ってらっしゃるようだから、待ってたわ」

「それで、なんのご用ですか?」

彼女以外の3人が近寄ってくる気配は男性で、咄嗟に鞄を抱きしめる。

「そんなにかまえないで…あなたが素直に車に乗ってくれたらいいのだけど、無理そうならこの方達に手伝ってもらってもいいのよ」

「お話しなら、ここで伺います」

「それは困るわ。あなたには素敵な場所を用意してあるのだから、来てもらわないとつまらないわ」