「アーァ、行っちゃった。あいつ、手加減してあげれるのかしら?」

「無理だろ」

隣にどさっと座った慧は、何故だか詩織の肩を抱いた。

「なんで、あんたまでいるのよ」

「面白いもの見れるのに、来ないわけないだろ」

「そうゆう奴だったの忘れてたわ」

「あれは、とことん好きって言わせ続けて、抱き潰すな…好きな女には、Sっ気発揮するタイプだろ」

「はあっ、あの爽やかな顔であっちの方はSって、愛梨、大丈夫かしら?助けに行こうかしら?」

「そんな野暮なことするなよ」

「そうだよね…よし、今日はお祝いだ」

ビールジョッキを持った。

「それ一杯だけにしておけ」

「なんでよ」

「お前を抱きたいから…まぁ、酔ったお前は素直で可愛いけど、そろそろ俺も、頑張って鳴かせないとダメだなって、思ったわけ」

「な、なに…鳴かせるって…」

「この流れでわかんないほど、ウブじゃないだろ」

突然の色事に話が変わり、恥ずかしくなった詩織は頬を赤らめた。

「無理」

不適に笑う慧を前にして、飲まずにはいられなくなった詩織は、ビールジョッキを取ろうとしたが慧に取りあげられ

「絶対、言わす」

と、耳元で艶めかしい声で宣言された翌日、愛梨と苦笑いをすることになった。