どこかで鳴るアラームの音に目覚めるとベットには一人だった。

あれ?

まだ、半分寝ぼけた頭で鞄の中のスマホを探して、アラーム音を切った。

それから寝室から出たら、いい匂いが鼻をくすぐる。

「起きた?」

「…おはようございます」

「うん、おはよう」

作業していた手を止めて、私のところまで来た透さんが、おでこにチュッとキスして、ダイニングの椅子に座るようにエスコートしてくれる。

「起きれなくてすみません」

「いいよ。昨日は、疲れさせたからな」

半分寝ぼけてた頭も鮮明になって、ぼっと茹だる顔面で昨夜の事を思い出していた。

今までは、私の体力の限界近くまで、彼の思うまま翻弄されてきたけど、昨夜は違った。

こちらを気遣い、ゆっくりと時間をかけて何度も抱き合った。

そこに彼の愛はあったかは、彼しかわからない事だけど、好きと告白させられた私には、もう、気持ちを隠す必要がないからか、何度も『好き』と言わされて…

『愛梨、俺のこと好き?』

『好き』

『好きなら、できるよね…』

なんか、もう、肉食獣って感じで、

お腹いっぱい満たすまで、食べられた気がする。

だからか、彼は清々しい表情をしているのだ。