「答えは出てるんですけど…特別扱いされると欲が出ちゃうんですよね」

「セフレに期待させるような態度をとるなっていうのよ」

「恋するなって牽制されてたんですけどね」

「尚更、クソだわ。牽制したなら思わせぶりなことするなって言うのよ」

ため息まじりのぼやきに、詩織さんがヒートアップしていった。

「ほんと、クソ野郎だね。透なんてやめて俺のセフレにならない?」

詩織さんの背後に慧さんが立った。

「慧、今、なんて言ったの?」

「俺のセフレにならないって…」

「その前」

「透なんてやめてだっけ?」

私に確認してくるけど、

「私には透さんだけです」

「よかった。もし、俺のセフレになるなんて言ってたら、きみ、風俗に堕ちてたよ」

恐っ
だから、悪魔の息子さん…

「私が愛梨に手を出させないわよ」

「詩織、ちょっとはヤキモチやこうよ」

「私、慧の彼女じゃないし」

「マジで言ってる?じゃあ、なんなの?」

「…セフレ」

「んー。頭痛くなってきた。詩織、今日はお仕置きだからね」

「ば、ばかなこと言ってないで、透って、あの透なの?」

「そう、あの透」

詩織さんも彼を知っているらしい。