それなのに、こちらを睨んでいるのだ。
「邪魔してごめんなさい。陸くん、ごめんね」
何に『ごめんね』なのかわからないまま、急いでお店を出て走った。
店を出る途中、陸くんが透さんに何か叫んでいたけど、あの場から逃げ出したくて必死だった。
見たくなかった…
彼の隣にいる女の勝ち誇る顔…
最悪…前にも見た同じ光景が重なる。
今日は、厄日なの?
元彼が女と半裸でいた時の以上のショックで、立ち直れる気がしない。
彼女も彼のセフレの1人でしかない…
私が来るとわかってて、あんな時間に他のセフレと抱き合ってたなんて…
私は、彼にとって特別でもなんでもなかったらしい。
傷つきたくないから、彼と一定の距離を保とうと誓ったはずなのに、彼が特別扱いしてくれてる気がして、勝手に勘違いしていた。
今日は、それを思い知らされただけ…
大きな勘違いを正せたんだと、家に着くまで泣き止むからと、言い聞かせながら家まで歩いた。
明日が土曜日でよかった。
家にいたのは、悠梨だけで、私の泣き顔に驚いていたが、見て見ぬふりをしてくれた。
母がいたら、大騒ぎだ。
部屋に閉じこもり、スマホを見ることもなくボーとして見たくもないテレビをつけ、揺らいでいた週末が終わった。



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