映司はこのシチュエーションが気に入っている反面、実はすごく大きなストレスと戦っていた。
それは、咲子との関係がいまだにプラトニックなものだったから。
32歳の映司にとって、それは拷問以上の苦しみだった。
でも、苦しんでのたうち回る姿を咲子に見せるわけにはいかない。
最近の映司は咲子にキスをするのも怖くなっていた。
獰猛な獣になるのが時間の問題だという、自分の弱い意思のせいだ。
ネグリジェ姿の咲子に興奮し、甘ったるいキスで思考を破壊され、ただの獣に変身してしまいそうな自分が毎日気が気でならない。
「映司さん、今日は大切なお話があるんです」
咲子は、映司が今日プレゼントしたばかりのレースのリボンがたくさんついたネグリジェを着ていた。
咲子の真っ白な肌に本当によく似合う。
そして、シースルーの袖からほんのり浮かび上がる咲子のぽっちゃりとした腕が、映司の男の部分を限りなく刺激した。
でも、大切な話があるらしい。
映司はそのティーンエージャーのような獣の感情を、無理やり頭の外に押し出した。



