「映司さんは、本当に私と付き合ってくれるのですか?
以前、そんな事をおっしゃってたから…」
咲子は不安を隠しながら、映司にさりげなく聞いてみた。
映司が咲子に対して本気でなければもうこの家に招いてはいけないと、自分に言い聞かせながら。
「付き合うよ。
ううん、付き合いたい。
ダメかな?」
映司の顔は本気なのか冗談なのか判断がしにくかった。
「実は、私と付き合うのは、とても大変なんです…
だから、皆、逃げてしまう」
映司は柄にもなく緊張しながら、咲子を抱き寄せた。
ふわふわのネグリジェは、その感触ですぐにシルクだと分かった。
それよりも無防備の咲子の体のラインに理性が吹っ飛びそうになる。
抱きよせただけでこんな気持ちにさせる咲子を、映司は天使だと思った。
「咲子ちゃんは自由恋愛を望んでる。
俺はそう理解してるけど、どうかな…?」
映司は自分の腕の中で、咲子が少し緊張して体が硬くなるのが分かった。
咲子が自由恋愛を望まなければ、映司は身を引く事を考えなければならない。
とてつもなく、難しい事だけれど。



