映司は地蔵のように固まっていた。
純真無垢なお嬢様は何もかもに正直過ぎる。
「あ、でも、今日は、下着はちゃんと着けてます。
だって、お客様がいらっしゃるので」
映司は固まったまま、とりあえず微笑んだ。
このAVにでも出てきそうなシチュエーションと、究極のお嬢様の咲子、そしておしゃれなコーヒーセット。
あ~、アンバランスにもほどがある。
「映司さん、私、今日は何だかすごく興奮してるんです。
こんなスリルを味わったのも初めてですし、この部屋に男性がいるなんてまるで夢みたいで」
映司は咲子の顔をじっと見た。
「咲子ちゃん、明日も明後日も、咲子ちゃんの家に遊びに来てもいい?」
咲子は困ったように頷いた。
「でも、そのたびに停電にしないと、なんですよね…?」
「停電は必要ないよ。
玄関先のカメラはただのダミーだから。
寝室のカメラだけ気を付けてればいい。
俺、このリビングが気に入ったみたい。
いい?」
そのネグリジェがたまらないんだ、なんて、口が裂けても言えない。



