自分の顔の真っ赤なのも、着物がハチャメチャなのも、もうすっかり忘れていた。
…この方の名前が知りたい。
咲子は映司に自己紹介を促されている事に、やっと気が付いた。
何だかポーっとして思考が上手く回っていない。
「あ、改めまして、初めまして…」
自分のすっとんきょうな声に自分自身が驚いた。
う、うんと小さく咳払いをして、控えめに深呼吸をする。
「私は七条咲子と申します。
この二つの団体の代表をしております。
どうぞよろしくお願いいたします」
丁寧にお辞儀をして顔を上げると、そのEOCの方も立ち上がっていた。
「初めまして。
僕はEOC東京支社の堀江映司といいます。
君の団体のお手伝いにやってきました。
どうぞよろしく」



