イケメンエリート、はじめての純愛⁇



「乾杯!」


上機嫌の咲子もそう言ってグラスを掲げる。

映司はキツネにつままれた気分だったけれど、でも、根っからのイタリア人気質の陽気な性格がすぐに乾杯に参加した。


「乾杯!」


映司は隣に座る元皇族の咲子のおじい様とグラスを合わせた。
孝一さんとは気が合いそうだ。
映司はそう思いながら、他の皆にもグラスを合わせに立ち上がる。

今日は楽しい夜になるぞ。
のはずだった…

映司は孝一と咲子との結婚について真剣に話し合った。

皇太子のお妃問題に関しては、こちらから候補を取り下げてもらう事は何も難しくないらしい。
実際、今の世の中の流れでは皇室も自由恋愛を推進しているらしく、咲子がその件で縛られる事は何もなく、ある意味、映司との結婚へのタイミングは咲子の父親以外の家族にとって最高の出来事だったようだ。


「でも、宗一さんは、僕との結婚は絶対に認めないと言っていました。
宗一さんを無視して、僕達は結婚できるのでしょうか?」