イケメンエリート、はじめての純愛⁇



は? 明智君まで?
映司はテンションが変な意味で上がっている咲子の顔を見る。
でも、咲子は舞い上がっているせいで、映司の視線に気づかない。

映司はすぐに明智君に方へ視線を移した。
明智君はいつもの明智君だった。
映司の視線に気付くと、ちょっとだけ肩をすくめる。

そして、明智君は静かに立ち上がる。
控えめに一礼をすると、聞きやすいちょうどいい声で話し始めた。

映司は明智君のスピーチに泣きたくなった。
彼は本当にいい子で、自分の事をこんな風に思っていてくれた事に感謝の気持ちしかない。

そして、映司にとって大切なこの場所で、明智君はみんなの心を掴んでいる。
そして、例にもれず、その一番の崇拝者は間違いなく映司だった。

もうこうなったら、明智くんのワンマンショーで終わっていい。
だって、咲子のお母さんの瞳は、アイドルを追いかける熱狂的なファンの目になっているから。

明智君のスピーチが終わり乾杯気分になっている映司は、もう一度咲子を見た。
でも、咲子にはまだ司会の仕事が残っているらしくそわそわしている。