「今日は、このような場を作っていただき本当にありがとうございます。
そして、EOCの後輩の明智君まで誘ってもらい、本当に感謝しています。
単刀直入に言わせてください。
僕は、咲子さんと、結婚したいと思っています。
恋愛気質ではなかった僕が、初めて心から愛した人が咲子さんです。
今日はその事を伝えに来ました。
どうぞよろしくお願いいたします」
映司はストレートにそう挨拶をした。
細かい点はそれぞれとゆっくり話したいと思っている。
すると、パチパチと誰かが手を叩いている。
その心遣いに涙が出そうになった。
でも、よくよく見てみると、その音は咲子のおじい様の拍手だった。
思いのほか、歓迎されているムードに、映司は笑みをこぼし深々と皆に頭を下げた。
そして、しばしの沈黙の後、咲子が思い出したように慌てて口を開く。
「あ、うん、はい、ありがとうございました。
続いて、EOCの明智様、お願いします」



