映司はできるだけ急いで咲子の待つホテルへ向かった。
今夜のディナーはルームサービスで頼もう。
落ち込んでいる咲子は、きっと外出する元気もないはずだから。
映司が3201号室のインターホンを鳴らすと、咲子は笑顔で映司を迎えてくれた。
それもあの可愛らしい真っ白なネグリジェを着て。
映司は廊下に誰もいない事を確かめて、すぐにドアを閉める。
こんなにセクシーで可愛い咲子のネグリジェ姿を誰にも見せたくない。
映司はドアを閉めると、大切な自分だけの宝物を包み込むように抱きしめた。
「咲子ちゃん、大丈夫? 落ち込んでない?」
タロウからのメッセージは簡潔過ぎて、映司は要らぬ想像ばかりしていた。
ホテルのベッドで泣き崩れて、俺の帰りを待っているはずと。
それなのに、咲子は笑っている。
何がそんなに嬉しいのか、映司の前でクルクル回りながら。
「大丈夫ですよ。
それより映司さん、ベッドルームを見てください」
ベッドルーム??
咲子ちゃん、俺はまだ帰ってきたばかりなんだけど、もう…?



