イケメンエリート、はじめての純愛⁇



映司は静かに優しく相手を追い詰める。
真実をただ並べているだけの内容だからこそ、相手の不安を煽りそして焦らせる。


「咲子さんが皇太子のお妃候補という情報は承知しています。
でも、それは、候補というだけの話であって、何の取決めもましてや契約書があるわけじゃない」


映司はそう言い切ったが、その内容に関しては、明智君の情報を信じるしかなかった。
EOCのブレーンの明智君が言う事だから間違いないだろう。


「咲子さんはこのまま独身で三十代に突入するか、三十過ぎになって無難な公務員と結婚するか、でも、その頃に、七条不動産の後ろ盾があるとは限らない。

七条さん、これから先は、あなたが考える事です。

もしかしたら、咲子さんは、七条不動産をいや正確に言えば代々続く名家の七条家を窮地から救ってくれる最高のパートナーを見つけたのかもしれません」


宗一は黙ったまま映司を見ている。
映司を信用できずに、まだ値踏みしているみたいに。