咲子はあまりの驚きに言葉が出てこない。
映司が咲子のために準備してくれたホテルは咲子の想像以上で、ここまで豪華にする必要があるのかと疑問に思うくらい。
映司は咲子のために、アバンクールヒルズTOKYOに入っているホテルだけで超豪華なのに、その上スィートルームを押さえてくれていた。
咲子は究極のお嬢様と言われているが、実際は質素な生活を心掛けてきた。
そんな咲子にとって、この贅沢は素直に喜べない。
映司は部屋の外でタロウと話している。
その間に、咲子は三つもある部屋を一つずつ見て回る事にした。
どの部屋も窓が大きくて外の景色が色々な角度で堪能できる。
その中でも咲子はベッドルームに目が釘付けになった。
大きな部屋の真ん中にふんわりレースの天蓋付きのダブルベッドが置いてある。
濃い色の木目調のベッドは、タイのリゾートを思わせた。
そして、高い天井からプリンセスのドレスのような真っ白いレースがベッドを包み込んでいて、レースの柔らかい素材や雰囲気が大好きな咲子にはこれ以上にない寝室だった。



