イケメンエリート、はじめての純愛⁇



「俺の家に来てもらいたいのはやまやまなんだけど、でも、今の段階は、それは状況的に俺達にとって不利になる。

できれば、円満に解決したいだろ?
そうなるように、一生懸命考えるよ。

だから、咲子ちゃんはしばらくホテル住まいになるけど、大丈夫かな?
俺の恋人っていう最上級の特典を楽しんでほしい」


「と、特典?」


咲子は映司の言葉の意味をもう一度整理して考える。
でも、ちゃんと理解できたのは三日分の着替えを準備することで咲子は映司に大きく頷いて見せてから、慌てて準備に取り掛かった。

この家の物が明日には実家へ運ばれてしまう。
そう思うと、咲子の荷物は莫大な量になってしまう。
何か足りないものがあっても、実家へ取りにいくわけにはいかない。
咲子は映司の視線には全く気付かず、どこからか段ボールを持って来ると、完全な荷造りをし始めた。

映司は目を細めてその様子を見ている。

三日分って、確かに言ったよな…
なのになぜ、夏用の洋服やマグカップやお茶碗まで、あのバカでかい段ボール箱に入れてるんだ?