イケメンエリート、はじめての純愛⁇



映司は咲子にウィンクをした。
この世の終わりみたいな咲子の顔に、はてなマークがたくさん付く。


「私、どこへ行けばいいのでしょう…
事務所もきっと無理です。
あそこもお父様達の持ち物なので、すぐに連れて行かれてしまう。

え? あ、もしかして、映司さんのお家ですか…?」


映司の性格上、自分に不利な状況になればなるだけ血が騒ぐ。
完璧な困難より中途半端な困難の方が苦手だし、気持ちが燃えない。
ジャスティンに言わせれば、それはイタリアの半分の血が騒いでるんだと笑っていた。

映司の母親は、とにかく勝気で根っから明るい。
そして、映司はそんな母親の性格をしっかり受け継いでいた。
勝気なのは言うまでもない。
そして、陽気で明るいの事も、究極のポジティブ志向が物語っている。

でも、策略家だ。
物事を組み立てていくゲームのような仕事が特に得意だった。

映司は咲子の頬を優しく撫でた。