イケメンエリート、はじめての純愛⁇



映司はいきなり始まった自己紹介に、背筋を伸ばして軽く会釈をした。
日本式の挨拶ってこんな感じでいいのか?と、少し不安に思いながら。


「今日は私達の結婚を認めてもらいたくて、二人でやって来ました。
私ももう26歳です。
このチャンスを逃したくありません。
映司さんは、お父様達の存じている通り、世界有数の超一流企業の…」


「咲子、やめなさい!」


咲子が話している途中なのに、咲子の父親の宗一はその会話を遮った。

映司は黙ってこの成り行きを見守った。
この歪んだ親子関係の状況を知りたかったから。


「いいえ、やめません!
おじい様、一つだけ教えてください。
私に自由結婚への選択肢はあるんですよね?」


咲子の祖父の栄一は、困ったように微笑んだ。
そして、映司はさりげない栄一の視線を感じている。
映司は自分の事を見定めているのだと思い、堂々と前を向いた。


「咲子さん、おじい様は関係ないでしょ?
この家の家長は、今はお父様なのだから」