イケメンエリート、はじめての純愛⁇



「咲子様、その方は?」


咲子はその執事の質問も聞かずに、そして有無も言わさずに、そのガラスの扉を開いた。
映司は予想がつかない咲子の行動に眩暈を感じる。
この心臓が破裂するのも、時間の問題だ…

開け放たれた扉の向こうには、真っ白いテーブルクロスでセットされた八人掛けの長細いテーブルが見える。
そして、その先の応接ルームに咲子の両親と祖父が座っていた。


「咲子さん、どうしたの?
着物を着て… え? その方は?」


ソフィアの友達そして咲子の母親美都子は、きっと一目で映司の事を分かったに違いない。
それは、EOCの人間が醸し出す超一流の雰囲気を、ソフィアを通じて美都子は知っているから。

そういう人間の心の隙に付け込む心理戦に長けている映司は、もうすでに美都子の視線をロックオンした。


「お父様、お母様、おじい様、今日は大切な話があってここへ来ました。
こちらにいらっしゃる方は、EOCの堀江映司さんと言います」