イケメンエリート、はじめての純愛⁇



父の宗一の内心は、早く慈善事業などの仕事は辞めて家で花嫁修業に専念してもらいたいというもの。
でも、咲子はそんな父の親心とは裏腹に、この慈善事業にのめり込んでいた。

そして、宗一の過干渉を嫌い、去年から一人暮らしも始めた。
雀の涙ほどしかない自分のお給料から支払える家賃は微々たるもので、お嬢様とは思えないほどのオンボロのマンションに住んでいる。

そんな中、超一流企業の高市社長が、咲子の団体の手助けをしてくれるという夢のような話が舞い込んできた。
の、はずなのに…
もう一週間が経つけれど、その会社の方から一向に連絡は来ない。

咲子は事務所へ向かった。
その事務所というには小さな1DKのマンションは、貸しビル業を営んでいる祖父の持ち物を借りている。
借りているといっても、家賃はタダだけれど。