咲子はかしこまって映司にそう伝えた。
咲子の中で仕事がひと段落ついた事が何よりも嬉しかったから。
でも、さっきの映司の様子から、咲子は落ち込んでいる映司を元気づけたいと思っていた。
「映司さん、私…
明後日に実家に帰る事になりました。
その日は、両親はもちろん祖父も家にいるそうです。
映司さん、どうされますか?
私と一緒に行きます…?」
咲子は映司の表情をずっと窺っていた。
自分の過去に自信を持てないらしく、さっきからあまり元気がない。
でも、咲子も自分なりに自分の幸せを手に入れる方法を考えていた。
映司さんと結婚したい…
初めて芽生えた自分の意志は必ず貫きたい。
自分のためにも、映司のためにも。
「行くよ…
まずは咲子ちゃんのご両親に会わなきゃ何も始まらない。
……うん、頑張るよ」



