絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~

少しだけ目尻に皺を作って微笑む姿に、不覚にもドキッとしてしまった。

ますます視線を逸らせなくなる私に、上杉さんはなぜか自分の眉間を指差した。

「ここ」

「えっ?」

意味がわからず首を傾げると、彼は「フフッ」と笑う。

「眉間に皺が寄っていて、可愛い顔が台無しになっているよ」

かっ、可愛い顔!?

「……なっ!?」

言われ慣れていない言葉に声を荒らげると、談笑していた両親たちもびっくりして一斉に私を見た。

「どうしたんだ? 麻衣子。急に大きな声を出したりして」

「女性が大きな声を出すなんて、はしたないでしょ?」

「いや、それはっ……!」

それは上杉さんが、突拍子もなく『可愛い』なんて言うから!

だけど言葉は最後まで続かず、上杉さんの声に遮られた。

「すみません、あまりに麻衣子さんが愛らしくて、つい僕がからかってしまったんです」

サラリと聞かされたこっちが恥ずかしくなるようなことを、彼は平然と言ってのけた。上杉さんが遊び慣れている証拠だ。