絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~

あぁ、そうだといいんだけどな。向こうから断ってくれた方がいい。だって私も断れるなら、こんなお見合い話断りたいもの。

再び顔を上げると、上杉さんはジッと私を見つめていたようで目が合う。

え、なっ……なに?

真意の読めない表情で見つめられると、今度は逸らすことができなくなる。

両親たちは私たちには目もくれず、他愛ない話で盛り上がる中、私たちはなにも言葉を発することなく見つめ合う。

いつも遠目でしか見たことがなかったから、大人になってから、こうして上杉さんを真正面から捉えたのは、初めてかもしれない。

思ったより透き通った綺麗な目をしているんだ。切れ長な瞳で見つめられると、まるで金縛りにあっているように動けなくなるほど。

うーん……今までは首を捻っていたけど、これは女性が騒ぐのにも納得かも。

本当に彼はカッコいいと思うから。

今度は盗み見ることなく、堂々と眺めては考え込んでいると、急に上杉さんは表情を崩した。