「ありがとうございます。実は僕たち、婚約したんです」
グッと私を引き寄せて、とんでもないことを言う上杉さんを勢いよく見る。すると彼も私を見つめ、にっこり微笑んだ。
「な? 麻衣子」
「なに言ってっ……!」
「行くぞ」
最後まで言わせてもらえず、上杉さんは私の肩を抱いたまま歩き出した。
背後からは女性の「みんなに知らせなくちゃ」なんて言う声が聞こえてきて、頭が痛くなる。
「どうしてくれるんですか! 今後、ボランティアに来づらくなっちゃったじゃないですか!!」
歩を進めながら声を潜めて抗議するものの、彼は謝る気がないらしい。
「どうして?」
いや、それどころかなぜ私が怒っているのかもわからないらしい。
「どうしてじゃありません! そもそも私は上杉さんと婚約した覚えなどないのですが!!」
声に棘を生やして言うと、上杉さんは顔をしかめた。
「覚えがないってことは、俺が覚悟しろって言ったことも忘れたのか?」
「そっ、それは覚えていますけど」
「だったら婚約したこと、覚えているじゃないか。それに俺は絶対に麻衣子と結婚するつもりだから」
一方通行の話に頭が痛くなる。
グッと私を引き寄せて、とんでもないことを言う上杉さんを勢いよく見る。すると彼も私を見つめ、にっこり微笑んだ。
「な? 麻衣子」
「なに言ってっ……!」
「行くぞ」
最後まで言わせてもらえず、上杉さんは私の肩を抱いたまま歩き出した。
背後からは女性の「みんなに知らせなくちゃ」なんて言う声が聞こえてきて、頭が痛くなる。
「どうしてくれるんですか! 今後、ボランティアに来づらくなっちゃったじゃないですか!!」
歩を進めながら声を潜めて抗議するものの、彼は謝る気がないらしい。
「どうして?」
いや、それどころかなぜ私が怒っているのかもわからないらしい。
「どうしてじゃありません! そもそも私は上杉さんと婚約した覚えなどないのですが!!」
声に棘を生やして言うと、上杉さんは顔をしかめた。
「覚えがないってことは、俺が覚悟しろって言ったことも忘れたのか?」
「そっ、それは覚えていますけど」
「だったら婚約したこと、覚えているじゃないか。それに俺は絶対に麻衣子と結婚するつもりだから」
一方通行の話に頭が痛くなる。



