そうだ、昨夜私が頼んだんだ。目を覚ましたら渡したいから持ってきてほしいと。すっかり忘れていた。

「ちょうど有坂社長もいるし、戻ろうか」

「いいんですか?」

「もちろん」

そう言うと彼は私の手を取った。

「言っただろ? そばにいるって。どんな時も麻衣子のそばにいるから」

「上杉さん……」

彼の気持ちが嬉しくて、私もギュッと手を握り返した。

病室に戻ってきた私たちを見てふたりはびっくりしたけど、プレゼントを渡すと喜んでくれた。
そして彼の運転する車でマンションに戻ってきたんだけど……。


「んっ……上杉さっ……」

家の中に入るなり、玄関先で彼は荒々しく私の唇を奪った。

息つく暇もなく何度もキスが落とされ、次第に身体に力が入らなくなる。それに気づいた彼は、軽々と私の身体を抱き上げた。

「キャッ!?」

突然身体が宙に浮き、咄嗟に彼の首に腕を回してしがみついた。

その間、上杉さんは器用に私の靴を脱がして廊下を突き進んでいく。