信じてほしい、上杉さんのことが大好きだって気持ちを。

だけどさすがに唇にするのはハードルが高すぎる。人を好きになったのが初めてだもの。当然キスだってしたことない。

バクバクとうるさい心臓を必死に鎮めながら、彼の肩に手を乗せて背伸びした。
そっと口づけをしたのは彼の頬。これが今の私にできる精いっぱい。

「……これでいいですか?」

恥ずかしくて視線を逸らしながら問うと、また彼は私の身体を抱きしめた。

「うん、満足。……でもやっぱり物足りないから、家に帰ったら俺からいっぱいキスさせて」

「えっ!?」

さらりと言われたセリフにギョッとなる。

そんな私に笑った彼だけど、急に「あ……」と声を漏らした。

「どうしたんですか?」

不思議に思い聞くと、上杉さんは私の身体を離した。

そして私を抱きしめる際に手離し地面に落ちたバッグを拾い上げる。

「悪い、麻衣子。これ……」

彼が気まずそうにバッグの中から取り出したのは、私が両親に買ったプレゼントだった。

「あ、それ……」