「現に麻衣子は、自分のだめなところに気づけて後悔しているんだろ? 誰だってそうやって成長していくんだ。大切なのは、しっかり自分と向き合うことだ。そうすればきっと、麻衣子は今よりもっと強くなれると俺は信じているよ」

「上杉さん……」

彼は私の手を強く握ると、ふわりと笑った。

「それにどんな麻衣子だっておばさんたちは、受け止めてくれるよ」

本当にそうなのかな。だって倒れるほど心配かけて迷惑かけたのに、そんな私もまるごと受け止めてくれるのだろうか。

不安は広がり、上杉さんに訊ねた。

「こんな私だけど、お母さんとお父さんに嫌われたりしないでしょうか……?」

ずっと聞き分けのいい子でいたのに、呆れられたりしない?
そんな私の不安を払拭するように、上杉さんは満面の笑みで言った。

「嫌うわけないだろ? 麻衣子のご両親なんだから。……元気になったらまた麻衣子の気持ちをしっかり伝えよう。……怖いなら俺が隣にいるから」

彼の優しさに胸がいっぱいになる。
嬉しくてそっと彼に体重を預けた。

「麻衣子……?」