正直、家に帰りたくなかったし、両親と距離を置きたかったから助かった。

でも私、大丈夫かな? だって一緒に暮らそうかってことは、上杉さんと私のふたりっきりで生活を送るというわけで……。朝から夜までずっと一緒なわけだよね?

当たり前のことを再確認してしまうほど、今の私はテンパっている。
だってまだ上杉さんへの気持ちに気づいたばかりなのに、一緒に暮らすなんて……。

普段の自分の日常生活を思い出す。

朝ご飯を食べて出勤して、帰ってきたら夕食を食べてお風呂に入って寝る。
それを全部上杉さんと共にするってことでしょ? 大丈夫なの、私。

考えれば考えるほど、大丈夫じゃない気がしてくる。

や、やっぱり家に帰るべきじゃないかな。いずれはお父さん、お母さんと話をしないといけないわけだし。

でも今日のことを思い出すと、やっぱり無理かも……となる。

今のまま帰っても、冷静に話なんてできないと思う。だったら上杉さんに甘えて、しばらくここに置いてもらった方がいいのかもしれない。

だけど上杉さんと一緒に暮らすなんて、私の心臓は持つだろうか。

堂々巡りしていると、お父さんから私の荷物を預かった上杉さんが戻ってきた。