「そうか。……でも麻衣子ちゃんとは違い、岳人は入社前からその夢を抱いていたわけではなかったんだ」
初めて聞く上杉さんの話に、私は耳を傾けた。
「長男として幼い頃から会社を継ぐ重圧を抱えてきた。学生時代は少々やんちゃをして、娘たちをハラハラさせたこともあったよ」
その当時のことを思い出したのか、敏夫さんは笑う。
上杉さんが学生時代やんちゃしていた姿なんて、想像できないな。
だけどなんとなく当時の彼の気持ちは理解できる。私も有坂建設のひとり娘として、歳を重ねるごとに重圧を感じてきたから。
高校時代は特に、家柄で判断されてばかりで有坂の家から逃げたいと思ったこともあったもの。
「岳人は父親が経営する会社に入ることを最初は嫌がっていたんだ。親の七光りと言われたくないと。……でも麻衣子ちゃんのようにやりたいことも見つけられず、言われるがまま入社した」
意外だった、上杉さんが会社に入るまでの話は。
今の上杉さんは、おじさんの会社に入ることを嫌がっていたとは、到底思えないから。
初めて聞く上杉さんの話に、私は耳を傾けた。
「長男として幼い頃から会社を継ぐ重圧を抱えてきた。学生時代は少々やんちゃをして、娘たちをハラハラさせたこともあったよ」
その当時のことを思い出したのか、敏夫さんは笑う。
上杉さんが学生時代やんちゃしていた姿なんて、想像できないな。
だけどなんとなく当時の彼の気持ちは理解できる。私も有坂建設のひとり娘として、歳を重ねるごとに重圧を感じてきたから。
高校時代は特に、家柄で判断されてばかりで有坂の家から逃げたいと思ったこともあったもの。
「岳人は父親が経営する会社に入ることを最初は嫌がっていたんだ。親の七光りと言われたくないと。……でも麻衣子ちゃんのようにやりたいことも見つけられず、言われるがまま入社した」
意外だった、上杉さんが会社に入るまでの話は。
今の上杉さんは、おじさんの会社に入ることを嫌がっていたとは、到底思えないから。



