俺は、部室に入ってきた鈴木を睨んでいた。
「何で!!」
鈴木は、「分かりませんか?」と言って不敵に笑う。
「この部活を解散させるわけ無いでしょ!」
鈴木はこの部室に入ってくるなり、「川柳同好会を解散させなさい」と言ってきたんだ。
「理由は?」
「あなた達が結成する『悩み解決隊』ですが、僕らに会う度に文句を言いますよね」
「それがどうしたのさ」
「もう、止めてくれませんか?」
「何でだよ」
俺は、鈴木に寄りかかろうとした。それを秀が止める。
「やめろよ。この部活を解散させるかっ!」
「それに部員も少ない。廃部にする条件も満たしてますよ」
鈴木が微笑えむ。俺は、気が付けばますます鈴木を睨んでいた。
「落ち着いて……」
秀としずかは、俺の腕を掴んでいる。
「そう言うことですので。もし、川柳同好会のことを詳しく皆に知ってもらえたなら、考えますが」
鈴木は、そう言い残して去っていく。俺は「詳しく知ってもらえたら……?」と首を傾げた。
「鈴木くんは、川柳同好会が悩み解決隊をしていることを明かせ……と言っているんだと思うよ」
ともえが言った。しずかは「……悩み解決隊の名前だけしか、皆、知らない……」と小さな声で言う。
悩み解決隊の名前は、皆は知っている。悩み箱に『あなたのその悩み、悩み解決隊が解決します』と書いてあるから。



