次の日の放課後、俺と秀は部活に……行かずに教室にいる。ともえとしずかの補習を手伝うため。俺はともえに、秀はしずかに数学を教えていた。
「うーん……分からない」
ともえは、シャーペンを器用に手で回しながら補習プリントを見つめている。
「この説明で分からないのか……」
俺は、ともえに分かりやすいように説明したつもりだったけど、ともえはそれでも分からないと頭を捻っている。
「仕方ない、1からやり直すか……」と俺は、書いたものを消しゴムで全て消した。
隣に目を移すと、しずかは秀の説明で、スラスラと解けるようになっている。ともえは「すごい……」と感動していた。
俺は、「集中しろ」とともえに言う。ともえは、シャーペンをくるりと回し、プリントにペン先を付けた。
俺はプリントを指しながら「ここの問題なんだけど」と説明を始めた。ともえは、「こう?」や「なるほどね」と言いながら問題を解いていく。
「出来ましたよ。藤原先生!」
ともえがそう言って微笑んだ。俺は「……やれば出来るじゃん」と言って微笑み返す。
ともえは嬉しそうに笑いながら「ありがとうございました。藤原 新先生、天宮 秀先生!!」と言った。
「俺、ともえちゃんには、何も教えてないよ……」
秀は、苦笑いをしながら言った。しずかは「ありがと」と無表情で言う。
「時間あるから、部活行こうよ」
秀が時計を見ながら言った。俺は「それもそうだね」と言って、4人で部室へと向かった。



