「えっと……生徒会長から、この部活を廃部にしてほしいと言われたんです。僕達は、この部活を廃部にしたくありません!」

俺は、大きな声ではっきりと言った。

「暑い日に こんな演説 したくない」

「演説と 違う気がする 部長さん」

俺は素直に今の気持ちを五七五の音で言うと、しずかが五七五の音で返してくる。しずかの手には、あの紙が握られていた。

「皆、行くよ!」と3人に目でそう言うと、3人はうなずいた。ともえとしずかは立ち上がって、俺と秀は、深呼吸した。しずかから紙をもらう。

「……僕達は、悩み解決隊をしています」と言いながら、山田先生が考えてくれた悩みを読む。

「『僕には、好きな人がいます。どうしたら良いですか?』……恋愛に関しての相談ですね。良くある悩みです」

「では、僕が回答します!」

秀は、少し緊張した顔で皆の顔を見渡す。

「回答は『好きなら、相手に気持ちを伝えるべきです』」

「悩み解決隊は、生徒の悩みを少しでも解決したい。そんな気持ちがあって作りました。しかし、生徒会長に『不満を言うのはやめて欲しい』と言われ、さらには『廃部にしろ』とまで言われました。皆には、学校についての不満があると思います。ある人は、手を上げてみてください」

俺がそう言うと、半分以上の人が手を上げていた。ともえは、1人の子に近づいて「何が不満ですか?」と問いかける。

「私と彼氏が引っ付いていると、『離れなさい』と言います。なぜ、話しているだけなのに『離れなさい』と言われないといけないのですか?」