生徒の味方、川柳同好会!




「さて……皆さん、初めまして!」

俺は、舞台に立ってあいさつをした。今日は、全校集会の日。俺らが考えたのは、皆の前で悩み解決隊の存在と川柳同好会の活動を知ってもらうために、全校集会で実際にやろう!と言うこと。

「川柳同好会、部長の藤原 新です」

俺は、頭を下げた。頭を上げると、皆は真剣な顔で俺を見る。

何でこいつらが?なんて言いたげな視線もちらほら。

「夏空に うるさく響く 蝉の声」

秀がさっき作ったと思われる川柳を言った。俺は「おい!それはまだ早いよ」と言う。秀は、「ごめん……」と謝った。するとともえが、お菓子を舞台にばらまき始めた。

「やめろ!お菓子をばらまかないで。せめて、紙吹雪にしろよ!」

ともえは、「すみません」と舌を出して笑う。今度はしずかが、どこから持ってきたのか分からない棒を振り回している。

「怖いからやめて!てか、そんな棒、どっから持ってきたんだよ!今すぐ返してこい!」

しずかは、無言で肩を落とすと棒を横に投げる。それも怖いからやめて欲しいんだけど……。

「……あ、えっと……副部長の天宮 秀です!今、川柳同好会は廃部の危機になっています!」

「私達は……命をもらう死神だ」

しずかが怖い発言をする。

「違うでしょ!あと、怖いからその発言やめて!?」

俺は、さっきからツッコミっぱなし。ちなみに、これは話し合って作った台詞じゃなくて、完全にアドリブ。

「いつも、こんな感じで活動をしています……しかし!生徒会長から文句を言われたんです」

ともえはハンカチを目元に当て、泣く振りをした。……もうツッコミは放棄しよう。うん、そうしよう。

「生徒会長曰く、『この部活を解散させろ。さもなくば……お前らの命はないと思え』と」

しずかが言った。そして、泣く振りをするともえに近寄り、「お姉ちゃん、大丈夫……?泣かないで」と言って抱きしめた。

「だから、怖い発言やめて……」