あぁ。
そう来るのね……


「いやじゃないけどね…」


私が言い淀んでいるうちに
彼はパァッと表情を晴らした。


「やった!!じゃあ、はい!
帰りましょ!」


そう言うとまた、
キュッと繋ぎ直す。


付き合ってるわけじゃ
ないんだから。

そう言おうと思ったのに。


…なんだか、彼のペースに
巻き込まれているような。


ーーうぅ……手汗が。


はらはらしながら、なんとか
部室に戻ってきた。


「さて、仕切り直しっと。」

私はようやく、大好きなあんパンに
ありつこうと
買い物袋から取り出した。

…すると。