「モモ先輩♪これとこっち!
どっちが好きですか?」


それでも懲りずに、
話し掛けてくるユキくん。


「…右。」


私が一言そう言うと
彼は飛び上がって喜んだ。


「わー!嬉しいな。
僕もこっちが好きだったんです。
先輩、おんなじですね♪」


ぴょんぴょんと喜ぶ彼は
…うさぎみたいだ。


とりあえず、ユキくんは
いつも何かしらの
小動物に見えてくる。


「じゃあ、それ大会に出す?」


私が聞くと、
彼は笑顔で頷く。


「そうします!」


彼の書く作品は中々好きだ。

…言わないけど。



まぁ。

なんだかんだで、
可愛い後輩。


ただ、それだけ
だったのに。