エレベータに乗り込んで1階に降りる時、ふと。 誰かが莉緒を待ってような気がする。 いつもは、思わないのになんでか。 いや、疲れてるからだろうと思った。 エレベータが開いて降りて、会社を出ようとした。 闇の中の暗い夜空に輝いてる訳ではないが目の奥に飛び込んでくる人影。 「青井さん、今まで、残業だったんですか?」 男前でもなく人懐こい笑みを浮かべてる波城君が莉緒に近付いてくる。 え、なんで波城君が待ってるの。 いや、たまたま、逢ったよね。 そう、そうに決まってる。