「そ、それは良かったです」
現在の時刻は6時。このジジイはいつになったら、私を返してくれるんだろうか。そう考えていると、一冊の本から、薄い小さな紙切れがヒラヒラと落ちた。
私はその薄い紙切れの中身を見る。
「松田?」指名欄には松田としか書いていない。
いかにも不気味な紙だ。指名欄の下にはまたもや不思議な言葉が書いてある。

        いじめをなくす方法

「何これ?」
この松田って人がいじめられてる?
「ん?どうした相田」
「い、いえ何も」

私は薄い紙切れを静かにポケットの中に入れた。