あぁ、なんで私はこんなことをやっているんだろう。
いつもそう思う。最初から、掃除当番を断れば簡単に済む話なのに。でも、友達がいないことによっていいこともある。
私の場合いつも暇なため、学業ではいつも学年1位を取ることもできる。まぁ、逆にそのぐらいしかできないのだが・・・
もちろん、自分の親にはこんなことは話せない。だって、自分の子供に15年間生きてきて、一度も友達ができたことはないと言われたらどうだ。その親は、大号泣だろ。

気が付くと、時計の針は5時を過ぎていた。よし、帰える時間だ。そう思うと、自分の顔も少し柔らかくなった気がした。
奏はカバンを肩にかけ、下駄箱へと足を運ぶ。
「おい、相田!お前まだいたのか。ちょうどよかった、今図書室の本を整理していたんだが、図書委員が逃げたんだよ」
「はぁー」
クラスメイトの他にまだ敵がいたとは、思いもしなかった。
こいつは、私の担任の高橋先生。通称ハゲ頭。
「いやー、お前がいてよかったよ。これで仕事が早く終わるよ。」