思えば……私はいつからだろうか……
彼に恋したのは….、純粋に好きなだけ、思うだけ。
特に告白する予定もなくただ好きなままで中学を卒業した

高校では新しい恋をしたい。と願っていた--



ほ「な!ん!でぇぇ」

晴「うるさいわほたる!朝から! 」

バシッ

ほ「うっ、殴んないでよ〜、だってさぁ…みてよ、あそこ
の人を…」

新入生が溢れる春、ざわついた校舎の中で一人の男の子が楽しそうに笑っている。同じ中学でずっと思うだけの片想いをしていた。彼は遠坂陽(とおさかひなた)。人たらしで彼の周りにはよく人が集まる。いつも楽しそう。
私は話したことはあれど、関わりはなかった。
けど、飾らないというか、そのままというか、太陽のような彼に、自然と惹かれて行った。
チキンな私は告白なんて出来るはずもなく、
高校こそは彼のことは忘れて新しい恋を!!もしくは腐女子の道を極める!
と思ったはいいものの、高校でも同じになってしまって、朝からこのように騒ぎ立ててしまった。

あ、
ご紹介が遅れてしまいましたね!
私の名前は雨宮ほたる(あめみやほたる)。今私と一緒にいる一刀両断女子は坂下晴(さかしたはる)。私たちは腐女子です♡
ていっても普通におしゃれも好きだし、お出かけも割とするのでそんじょそこらの女の子達と変わりません。えぇ。絶対に。



晴「いや、これ以上ないいい事じゃん。だって好きな人とまっさか一緒の高校なんてさ、運命?(笑)ってやつじゃない(笑)BLでも美味しいネタになるわぁ」

ほ「お主、笑ったな?こちとら死活問題ぞ!高校生活をあいつを忘れるために!送ろうと!必死に!そらもう!BLだったらもうなんだろ、両片想いにしてあげたい」

晴「中学の時話すらまともにできなかったやつが何を言ってんだアホが。告白のスタートラインにすら立てなかった人がそのようなことを口にするでないよっ。
あぁ、いいね、両片想い激アツやわぁ」

ほ「私になにも言うことはございません!!えぇ!両片想いのあの、混じり合うの?合わないの?ていう展開めっちゃすき。」

晴「じゃあつべこべ言わず行くよ〜。最高のBLの完成だなぁ。」


普通の会話の中にちょっとだけおかしい流れができてしまうのがたまにきず。
さっきまで恋バナのはずが違う意味の恋バナになりそうですが、全然気にしません。

晴「そういや、高校一緒って言ったって7クラスもあるんでしょ?そうそう一緒のクラスになんてならないでしょ(笑)」

ほ「はっ、それもそうだ!確率低すぎだしね!…ってことは晴とも離れちゃう確率大かよ」

晴「大丈夫。離れても友達なんてつくる気ないから。(作れない)」

ほ「なんの迷いもなくそんなこといわないでよ(笑)がんばりなよそこは(笑)」

晴「友達作るのめんどくさいもん。増えれば増えるほどめんどくさい。」

ほ「まぁまぁ……」


そうこう話しているうちにクラス分けの発表となった。
別に晴みたいに人見知りをこじらせてるような感じではないので友達はきっと出来るだろうけど、問題は……

晴「へぇーどれどれ、私のクラスはっと……あ、1組だ。
ほたるは?」

ほ「はるちゃーーん……」

晴「うわっ、なにちゃんづけキモイ。」

ほ「たぁすけてくれぇい」

晴「ん?クラスわかったの?何組?」

ほ「3組…………」

晴「ありゃ、離れたな。遠坂は?まさか一緒!?(笑)」

ほ「はるちゃん声でかいでぇーす、うるさいでぇーす静かにしてくださいい...そうでぇす〜」

晴「な、なんだろう(笑)なんていうか(笑)が(笑)頑張ろう。片想い(笑)」

ほ「いやぁぁぁぁぁ」


?「お、めっちゃ叫んでるじゃん」

晴・ほ「!?」

私が今、まさに会いたくないというか、信じられない気持ちで整理がしきれないと言うのに、追い打ちをかけるように彼はあらわれるのだった……


陽「てかお前ら一緒だったのな。高校。雨宮は同じクラスか!よろしく」

ほ「は、はぁ……」

ご挨拶も程々に颯爽と去っていった彼を私はただ視線で追いかけていた。
これからそんな彼と少なくとも1年間は共に過ごしていくのか……
嬉しい気持ちももちろんある。というよりめちゃくちゃ嬉しいんだけど。
次に進める気がしません。

晴「ま、まぁ、兎にも角にも。……大丈夫だよ、」

ほ「え、ごめん、なにが?え、全然分からない」

キーンコーンカーンコーン

晴「あ、予鈴だ。…ファイトだ。ほたるよ。終わったらしっかりと、BL本という、癒しの湖に誘うよ!」

ほ「ちょ、約束だよ〜!」

晴の慰めになっていない慰めを胸に教室へ、、いざ!

これからの高校生活。
こんな同じクラスになることなんて序の口に過ぎなかった


もっと恐れるべきことが起こるなんて、夢にも思わないでしょう。