部長に話を通せるのもそうだが、明確なビジョン、そして自分達の行動が周りにどう影響するのかも考えている。相当仕事が出来るのだろう。
ただー...
「隠すって...罪悪感があるわね...」
部署の皆んなは、主任である私を信じてついて来てくれてるのだ。それを私が裏切る様なミスをした上に隠してるなんて知ったら、どんな気持ちになるだろうか....。
それならしっかり事実を伝えて謝りたいと思ったりもする。
「罪悪感があるなら、尚更一億取ればいい」
そんなさらっと言うけど、簡単な事じゃないじゃない。
うつむ居ていると、
「そんなことより、早くその頭何とかした方がいいぞ」
と男は私を指差した。
私は下駄箱の上に置いてある鏡を見る。
そこに映って居たのは半径5センチぐらいに広がり、無残にも爆発した頭の私。
顔が一気に血の気を帯びるのを感じる。
「っ...!もっと早く言ってよ!!!!!バカ!!!!!」
くくく、と笑っている男を他所に、玄関のドアをバンッと閉め、急いで洗面所に向かう。
忘れてた。忘れてた。
髪を切って、ボブくらいの長さにしてから毎朝大爆発した頭になるのを。
叩き起こされて、急いで出たから髪型なんて全く気にして居なかった。
よりによってあの美形に見られるなんて...!恥ずかしすぎる!!
恥ずかしさと、何故か悔しいという思いで、私は爆発した髪にヘアアイロンを当て急いで直していった。


