突然部長を遮るように会議に響き渡った必死な声色。
私が発したわけでわない。確かに私も待ってくださいって感じだけど!
「待ってください。桜田主任が責任を取って辞めるなんて....!全ての原因は私なんです。桜田主任ではなく私が、私がその責任を取らせてください!」
「城内さん....」
そう声を上げて頭を下げたのは城内さんだった。部長は私の代わりに城内さんが辞めるかもしれない羽目になるのを納得のいかなさそうな表情で城内さんを見る。
城内さん。
新改革をして、主任になって初めて会った時、ふわふわしてて大丈夫かな?って思った。でも実際はきっちりスケジュール管理も出来て、書類も的確。何よりこの仕事が大好きだと言っていた。
—そんな彼女だからこの契約の担当任せたんだっけ。
きっと彼女は今後優秀な人材になる。きっと。だから.....
「僕はどちらでも良いですよ?」
しばらく黙っていた男はそう言って私を見た。
......この人。
私がどうするのか知ってると言った目だった。
分かってるわよ。
こんな状況になった時、あの人だったらこう言うだろうなっと思って頭を下げる。
尊敬してやまないあの人が、私を守ってくれた時のように—...
「上司である私の責任でもあります。申し訳ありません。つきましては私が責任を持って対処いたします。」


