うさ耳の白いフード、うさぎのキーホルダーのついたパステルカラーのリュック。チェックのスカートに伸びる色白い脚。 私は昔から〝うさぎさん〟になりたかった。 誰からも愛でられるあの容姿。 いつでも愛されるうさぎさんが私の夢だった。 色素の抜けた栗色のベリーショート。 短く切りそろえられた前髪から見えるのは、 つり上がった三白眼。 「初(ウイ)ちゃんっていつも怒ってるみたい」 「少しは笑えばいいのにね」 愛され上手なうさぎさんとは真逆な野良猫______それが今の私だった。