先輩彼氏✕後輩彼女

お母さんに着付けてもらって、
自分で髪の毛を巻いてみた。

大きめの花飾りを耳の上に飾って、完成!!

いつものあの場所に
今日は余裕をもって向かうことができる。

「じゃあ、お母さん!
私行ってくるから!!」

「うん、行ってらっしゃい、葉菜。
さて、咲菜の着付けもしなくちゃっと!」

咲菜も今日なんだ。

会わないようにしなきゃ。

咲菜はめちゃくちゃ可愛い。

それで何度、
私の周りの男の子が揺らいだか。

中学まで話しかけてくれていた
男の子達はみんな、
私と話したいのではなく妹が目的だった。

楓がいくら私のことを思ってくれても、
万が一ってことだってある。

それが怖くて、
今まで私は恋愛に怯えていた。

ううん、今はそんなことより楓の所に行くんだ!

下駄を履いて玄関のドアを開けた。

少し日がおちかけている。

オレンジ色の住宅街を今は1人で歩く。