「俺も初めだっから、
上手くできなかった。ごめんな。」

「初めてだったんだ。」

彼女いたことくらいありそうなのに、
初めてって、なんか、

さらにキュンってなる!

ぽわーんとしているところを
またキスされた。

「キスっていいもんだな。」

少し顔を赤くしてるくせに、
キザなことをいう楓。

「そ、そ、そう、だね!」

ちょっと、恥ずかしいよ〜。

「閉会式までここにいるか。」

「うん、そうだね。」

楓にとって最後の体育祭、
私には初めての体育祭。

2人でサボってしまった。

けど、

「なに?
急に見つめられたら困るよ。」

「楓といられて良かった。」

「ふっ。
なんだよ急に。」

「別にぃ〜」

こんなふうに一緒にいられるのも
残り少ないことには、
まだ私は気がついていなかった。