先輩彼氏✕後輩彼女

「サボるに決まってんだろ。」

「あ、そっか。」

妙に納得してしまう。

だって、
楓ってそういうのに興味なさそうだもんね。

でも、

「楓、今年最後の体育祭でしょ?」

「俺は最後だから葉菜と少しでもいたいんだよ。」

楓……。

そんなふうに思ってくれてたんだ。

自然とニヤけが止まらなくなっていた。

まぁ、背中にいるからバレないよね。

けど、
気が付くともう体育館裏だった。

予告無しに降ろされて尻もちをついてしまった。

「痛いってばぁ!!」

「悪いわるい。」

全然悪びれてる風も無いんですけど!

私は立てずに
そのまま体育座りをしていた。

横に静かに楓も座った。

「俺、こっから見える海がめっちゃ好きなんだよ。」

「海??」

ほんとだ。

真正面に大きな海が広がっていた。