先輩彼氏✕後輩彼女

「いいから、
早くに乗れよ。」

私は素直に
楓の背中に乗った。

「おっも……!」

なっ!!

「楓のばかっ!
歩けるから降ろしてよ!」

「はいはい。
大人しくおんぶされてろよ。」

むむっ、楓が悪いんだからねぇ!

私たち2人の姿を見る女の子達からの悲鳴は
もう聞こえることはなかった。

先週の集会で、
なぜか楓は交際宣言をしてしまった。

わざわざ先生もいるところで言わないくてもいいのに。

またそのことを思い出しながら、
楓の背中に頬をくっつけむくれていた。

「急に大人しくなって、
どうしたんだよ、葉菜?」

「別にぃ〜。」

「あぁっそう。」

「ねぇ、どこに向かってるわけ?」

「体育館裏。」

あそこか。

私達2人にとって思い出の場所だ。

って、

「楓、もうすぐ出る競技あるじゃん!?」