「よーい………、ドン!」

勢いよく飛び出し、
私は一直線にゴールへ向かって走った。

私の前には2人。

思いっきり加速して最後の1人!

と、そこまでは順調だったんだけど。

「………い、たっ!」

こ、転んだ。

み、みんな見てるのに、恥ずかしい。

急いで立ち上がろうとしても、
擦りむいた膝が痛くて立ち上がれない。

どうしよう。

もう無理。

「葉菜!!」

「ぅうっ、か、楓ぇ。」

すぐに駆けつけてくれた楓。

ほんと、優しいんだなぁ。

と、思ったら、

「いったぁーい!!」

頭を叩かれていました。

「ドジなんだから、
調子に乗って走るなよ。」

なんか、酷くないですか?

「ほら、早く乗れよ。」

「へ??」

もうほとんど泣き出している私に背中を差し出す。